降霊術とは『死者の霊と交信する魔術。
ネクロマンシー(死霊術)、口寄せ。ウィキペディア参照』
降霊とは、死者との交信であるが、実際に死者との交信がまともにできる霊能者や霊媒師は先ず、いないと断言できる。
なぜ、死者との交信ができないのか?
と云えば、殆どの霊能者や霊媒師は前世で因縁のあった霊(前世の因縁、怨霊)を呼び出すことができないからだ。
この、怨霊を呼び出せない限り降霊はできない。
なぜなら、殆ど多くの皆様方は前世で因縁のあった死者(怨霊)にとり憑かれているからだ。
故に、この怨霊を最初に除けないと、と云う事になる。
でなければ、例え降ろしたい方の魂を呼んだところで、とり憑いている怨霊が出て来るだけだからだ。
それを知らずに降霊を始めたところで何の意味もない。
ただ、騙されるだけ、となってしまうのだ。
故に、降霊したい死者を呼び出す為には、まず、この前世の因縁を除けなければならない。
しかし、実際にこの前世の因縁を除霊できる程の霊能者や霊媒師はいない。
だから、極端に言えば、降ろしたい死者と降霊できる人はいないと断言したのだ。
例えば、先日(H28年1月末)某テレビ局から放映された故・山本文朗氏の降霊だ。
この降霊術は恐山で、今世紀最後のイタコと呼ばれる人物によるものだ。
ナレーターによると、故・山本文朗氏は突然、胸と背中の痛みを訴え緊急入院した、と云う。
診断の結果は肺胞出血。
しかし、その四日後突如急変し、出血が止まらなくなり数時間で帰らぬ人となった、と云う。
で奥様は、3年前突然お亡くなりになられたご主人が一体どんな想いで死んで逝ったのか?
とその思いを知りたくて、恐山のイタコに降霊のご依頼をしたのだ。(この辺りの経緯は定かではない)
そして、口寄せが始まり7分程経過した頃ご主人の霊らしきものが降りて来た。
すると、奥様の思っていた通りの事を喋り始めた。
『いや~ホントに自分自身があの世にポックリ逝ってしまって(山本氏の霊言)・・・』
等々のお言葉をお訊きし、奥様は
『いつも、こうやって傍に居てくれてありがとう。それはもうホントに 感じています』
と嬉しげに応じていた。
更に、現世で言い残したことに対して、由美子さんしか知り得ないことを話し始めた。
このことをお聴きした由美子さんは・・・・
『その言葉はホントに病室でみんなの前で言ったことだよね』
と云って凄く感じ入っていた。
しかし、私はイタコの話になぜか、違和感を感じていた。
と云うのも、万一本当にお亡くなりになられた方が人間界に降りて話をしているのなら”あの世にポックリ逝って”などと云うことは言わない。
元々、魂は霊界の存在だからだ。
それに、突然、お亡くなりになられた、と云う事は前世の因縁、怨霊の作用にやられた、と云う事になるのだ。
すると、今も魂は怨霊に掴まっている可能性が高い。
或いは下に落ちている筈なのだ。
故に、そんな状態の魂を幾らイタコが口寄せしたところで故・山本氏が降りてこれる筈はない。
しかし、実際に奥様が納得されるような話し方をしているのだ。
では、故・山本氏の如く饒舌に喋っていたのは一体ダレなのだ?
と疑問が湧く。
それで、先ず云えることは、口寄せで降りて来た霊は絶対故・山本氏ではない、と断言できることだ。
では、あれだけ奥様が信用しきってしまう程の信憑性のある話ができるものとすれば?
故・山本氏の顕在意識なのか?(顕在意識は独立した意識であり、死後肉体から速やかに離れる)
とも想ったが、やはり不自然さは拭えない。
では、これはイタコにとり憑いている怨霊ではないのか?
と怨霊の存在を疑い、今世紀最後と云われる、イタコのお名前をお呼びしとり憑いて居るものがおるのか?
を試してみることにした。
すると、即座にとり憑いているものが私の中に入って来た。
とり憑いているものとは、云わずと知れたイタコの前世の因縁である。
で即刻、いつものように私と怨霊との一人二役形式での会話が始まる。
「松野須磨子(仮名)入って来い!イタコの松野須磨子入って来い!」
と先ず、イタコのお名前を呼ぶ。
すると直ぐに怨霊は入って来た。
で有無を言わさず念を入れる。
念を即刻入れる?
とは怨霊に呼び出した説明を一々する必要がなくなるからだ。
すると
「ウッ!ウウウウウウ、、、、、」
と苦しげにうめき声をあげる。
「お前は、松野須磨子とは違うなー!」
「ウウウウ、ちち、ちがいます」
「お前は、人間界で松野須磨子がイタコをやっていると云うのは知っているのか?」
「ヒヤー!知っております知っております」
「イタコとは、死んだ人間を呼び寄せ話をさせると言うものだぞ」(霊の口寄せをする巫女)
「さようでございますさうようでございます」
「死んだ人間がイタコに降り、話し始めると云うのは死んだ人間のフリをしたお前がやっていると云うことなのか?」
「ウウウ、さようで、私が話しているんです」
「では、お前が全部話していると云うのか?」
「さようでございます」
「では、この松野須磨子は前世では何をしていたのだ?」
「これは、私の女房でございました」
「なに、お前の女房だったのか。なら、松野須磨子の性格は知っているのだろうな?」
「はい。それはもう良く知っております」
「では、どのような性格だったのか云うがいい」
「コイツの性格は普段はあまり会話は少ないですねー」
「そうか。普段は会話は少ないのか?」
「はい。さようでございます。だけど、まぁ、何かあった時にはいつもニコニコして良く人の世話をしておりました」
「そうか。人の世話を良くしていたのか?」
「さようでございます」
「では、今生ではどうなのだ?」
「うん。今生でもあまり性格は変わってないですねーまぁ、あまり人の悪口も言わないし、わりとおとなしい。おとなしいほうですねーだけど、まぁ、人にはわりと親切にはしておりますねー」
「そうか、良く分かった。ところで、お前は何をしていたのだ?」
「私は前世、祈祷師をしていたんですよ」
「なに、祈祷師をやっていたのか」
「では、この松野須磨子にお前が祈祷師のようなことをやらせているのか?」
「うん、さようで。私があのうイタコと云ってですねー死んだものを出す役をしているんですよ。で私がねー何でもかんでもペラペラ喋るんですよ」
「では、なんでお前は、何も知らないことをそんなに喋れるのだ?」
「喋れるとは?あのう、要するに女房の前に人間が来たらですねー人間の頭にポット浮かんだことが全部私分かるんですよ。その、人間の頭に浮かんだことをね、訊きながらペラペラペラペラ喋っているんですよ」
「そうか。では、松野須磨子が喋っているのは、お前が喋っていると云うことか?」
「うん。さようでございますさようでございます。そーしたらもうみんなが喜んで喜んで、ですねーだから私も調子に乗ってペラペラペラペラ、良く喋っておりました」
「そうか。では、お前はこの松尾須磨子は今後どうするつもりなのだ?」
「どうするもこうするも、暫くはこうやって、私楽しいもんですからね、これと遊んでいるんですよ」
「そうか。良く分かった」
「もう、宜しいのでしょうか?ところで、ああ、あなた様はどなた様で」
「我は神じゃ!」
「カ、神様でございますか?」
「そうだ。ところで、お前、遊んでいるのだろう」
「いやいや、女房でございますから。まぁすることはちゃんとやっております」
「では、お前はこの松野須磨子を最終的にはどうするつもりなのだ?」
「いや、最終的にどうするとは?まぁ、歳をとって使えなくなるまでは、私遊ぶんですよ。人間が来て面白いから嘘ばっかし云って、人間の頭にポット浮かぶことを全部私分かるもんでございますから、それで喋っているんでございます」
「そうか。では、お前の好きなようにするがいい」
「ああ、すいません。どうも失礼しました」
今回のイタコの前世は、祈祷師の女房だった。
そして、イタコが話している内容は、全てとり憑いている怨霊が話している、と云うものだった。
その方法とは、依頼者が頭の中で想うことを全て読み取り喋っていると云うと言うものだ。
だから、奥様のお聞きしたいことに滞りなく応えることができたのだ。
これがイタコの降霊術の真相だった。
それに
『あの世にポックリ逝って・・・』
の、云々の話も人間の思考から読み取っていた言葉だったのだ。
では、なぜ、イタコは自分に降りて話をしているのが、自分にとり憑いている前世の因縁、怨霊だとは分からなかったのか?
と云えば、先ず、自分の中に元々自分以外の意識が入っているなどとの認識がなかったからだ。
自分の意識を覆うように被さっているなどとは。
そのため、話し始めた霊のことを自分自身にとり憑いている怨霊だとは知らずに、故・山本文雄氏が降りた、と思い込んでしまったのだ。
この思い込みは、入って来た霊を一度も試すことをしなかった、と云うことが原因だったのだ。
本来、霊とは嘘を言うものなのだ、と云う認識をイタコも持たなければならない。
その認識さえあれば、今回のように騙されるなどと云うこともなかったのではないだろうか。
所謂、降りてきた霊に最低でも奥様の性格をしゃべらせる、等の手段を取っていれば良かったのだ。
が重ね重ね、そのように意識を操る霊が自分の中に居るとは、イタコとして知らなかったと云うことだ。
故に、イタコが悪意(騙す)を持って口寄せしたものではない、と言える。
上記のように、降霊とは簡単なものではないと云うことがお分かり頂けただろうか。
また、再度、記載するが、先ず、降霊する霊能者や霊媒師に前世の因縁、怨霊はとり憑いてはいないのか?
それに、降霊する方の魂は間違いなく成仏しているのか?
万一、成仏していなければ、成仏させてと云うことになる。
で降りて来た霊の確認。
これは、依頼者と降ろす霊の関係等を、降りてきた霊に喋らせる、だ。
上記のことを確認しての降霊なら、先ず間違いはないと云える。
今回、たまたまテレビを視聴していて違和感を感じた為真相を追求してみた。