人間界に降りたくない理由!
霊界(安らぎの楽園)のジュウニンは、みな人間界に降りるのを嫌っている。
それ程、人間界は住みにくいと云うことなのだ。
故に、人間界に降りる魂は特別な場所を提供されている。
特別な場所とは、死後目覚める怨霊の里より遥か上である。(怨霊の里とは、霊界の山の中腹から一番下の地獄のすぐ上までである)
ここは大変明るく、空は高く青々と澄み切っており空気の綺麗な所なのだ。
ここに棲む住人はニコニコと笑顔の絶えない明るく裕福な方々ばかりなのである。
また、食べ物も豊富で何でも自由に食することができる。
住居もお屋敷と見紛う程の、と云っても過言でない程、立派な造りになっている。
当然、悪人などと云うニンゲンも全くいない。
と云うのも、ここに棲むジュウニン(魂)が人間界で殺傷事件などを起こすと、殺された魂が死後 目覚めた場所(怨霊の棲家)から、ここの特別優遇された場所まで犯人(魂)を掴まえに来る。
そして、連れ去ってしまうから、悪人が一人も居なくなってしまったのだ
。
では、なぜ悪人のいない特別区にあがれる住人が人間界に降りるのをそれ程嫌っているのか?
と云えば、安らぎの楽園は大変平和なところだからだ。
その平和な場所からでるのを嫌がっているのだ。
それに人間界に降りると嫉み、妬みや悪意が充満している。
また、殺傷事件等犯罪に巻き込まれる可能性も高くなるからだ。
と云ってこれでは、人間界に降りる魂が居なくなる、と危惧し結果的に特別区が造られたのだ。
そして、不幸にも人間界で殺されたものは死後復讐できる場所を提供されるようにもなった。
それが、死後目覚める怨霊の棲家と云うことになる。
このような仕組みができたのが、今から数百年前ではないかと思われる。
と云うのも、現在の人間にとり憑いている怨霊は、殆どが数百年前に殺されたものたちばかりだから。
また、とり憑くことが出来た、と云うことは、殺されたものが怨霊にとり憑かれていなかったからでもある。
例えば、現在の人間が殺されたからと云って、殺した相手の魂にとり憑くと云うことなどできない。
それは、現在殺された人間の魂は、すでに怨霊にとり憑かれ身動きできないようにされているからだ。
また、とり憑かれている魂は自分の身体が人間界に誕生した事すら知らない。
故に現代人は、これでは復讐のしようがないと云うものだ。
その為、人間界に降りる特別区には悪は全ていなくなり善人ばかりになっているのだ。
ここまで優遇されても安らぎの楽園のヒトビトは人間界に降りるのをみな嫌っている。
故に、堕胎されて喜んではいても、水子となって恨むなどと云うことはないと云えるのだ。
だから、水子霊などという霊もいない。
結局、人間界に降りたくないと云う理由から特別区が設けられ、殺されたものたちには復讐の場所が与えられた。
それと同時に、死後目覚めたモノは、恨みつらみは関係なくとり憑いても良い、と云われる場所に逝けばダレにでも簡単にとり憑くと云うことができるようになったのだ。
故に、それが人間にとっては大変不幸な事になるとは知らずに、だ。